中国での少し良い話

2014.8.2

中国で長距離路線バスに乗ったときのこと、バスの中にカメラを置き忘れてしまいました。 そのことに気がついたのは翌日になってから。 その旅行のとき、カメラはメインとサブの２台を持っていきました。 旅行から帰り、滞在先の部屋でメインのカメラのデーターを確認して、その日は就寝しました。 翌日、サブのカメラのデーターを確認しようと思い、 「カメラ・・・？」 その姿が見当たりません。 頭の中に前日のことを思い出します。 帰りのバスに乗り込んだとき、カメラは２台ともバッグの中でした。 ３時間の道のりの中、途中で撮りたいシーンがあって頭上のバッグから、すぐに取り出せるようにしてあったサブのカメラを手にしました。 ２コマほど撮って、そのまま手にしていたのですが、果物を食べたりちょっと居眠りをしたりで、カメラは座席においていました。 あまり快適な車内ではなく、終点に着いたとき、 「早く降りたい」という気がありました。 前列のほうの席だったのですが、後ろのほうから次々に降りる人がいるので、 「最後に！」 と思い、席に着いたまま待って、一番最後に降りました。 そのときにカメラを手にした記憶がありません。 「座席に置いてきた！」 記憶が明確になりました。 同行したガイドさんに電話しました。 「一日に２便しかない路線で、その車両はそのあとは車庫入りのはず」 「一番最後に降りたことがハッキリしている」 「乗客が降りたあと、乗務員は車内を点検するはず」 「日本なら絶対に出てくるパターン」 私の説明に対して、ガイドさんの口から出たことばは、 「ここは日本ではありません」 それはそうなのですが、とりあえず電話をするだけしてみてください、ということを告げました。 少し時間があって、そのガイドさんから電話。 「カメラはそのときの車掌さんが保管しているそうです！」 その日も前日と同じ便で戻ってくるそうで、その時間帯に受け取りに行くことに。 カメラが手に戻った後、その女性の車掌さん（４０代くらい）に少しのお金を渡そうとしましたが、拒否されました。 「これは私の仕事です」 そういって、絶対に受け取ろうとしません。 中国のこと、いろいろな批判がありますが、 「感動です！」 後日、中国のガイドさんがこのことに関して深く感動していたのが、私には印象的でした。